南郷アートプロジェクト2020|見つけに行こう、まだ知らない南郷を。

プロジェクト
ダンス公演「DANCE×JAZZ Episode.0-ジャズの里 南郷」
prologue
プロローグ

ジャズの里のものがたり 01

旧南郷村の村おこしとして、「南郷サマージャズフェスティバル(ジャズフェス)」が始まったのは、今から約30年前の1990年のことです。ジャズ好きの村長の一声から、村民一人一人ができることを積み上げて、「南郷といえばジャズ」と言われるほどになりました。

南郷アートプロジェクトの最終年度となる今回は、南郷ジャズフェスティバルに関わった方にお話を伺い、そこから受けたインスピレーションを基に作品を創作しました。今回、聞かせていただいた5人の方のお話を、八戸市在住のライター馬場美穂子さんによるスペシャルインタビューとして紹介します。

「ジャズの里 南郷」のものがたりをお楽しみください。

語り手:壬生八十博 氏(みぶ やそひろ)
1950(昭和25)年南郷市野沢生まれ。南郷商工会のかたわら、2010(平成22)年から南郷サマージャズフェスティバル実行委員長を務める。元・南郷村村長の壬生末吉さんを父に持ち、コルネット、ドラム、テナーサックスもこなす音楽好き。 


父とジャズとふるさとと。

 子どもの頃、家の中には常に音楽が流れていた。高価なステレオやレコードも惜しみなく買う父。教師をしていた父は戦時中大陸にいて、引き揚げた後は村で青年団を作り、仲間とバンドを結成した。家の土蔵で練習し、村内外の各集落を演奏して回っていたのを覚えている。八戸市内のジャズバーにもよく一人で通っていたね。 

 

父はまた「ああしろ」「こうしろ」と言う人ではなかった。父から受け継いだ会社でトラブルがあったときでさえ、後から一言「…な、わかったべ?」と言っただけだった。 

 

南郷サマージャズの魅力はさ、野外ということ。自由に、酒飲みながら、自分のスタイルで聴けること。最初から最後まで飲んでる人いますよ(笑)。コンサートじゃない、フェスティバルだから。そのとき感じるままに演奏すればいいし、感じるままに聴けばいい。あんまり色んなことを決めすぎるのはジャズっぽくなくなっちゃうんだよ。ジャズ=自由って、私はそう思ってる。 

30年続いた秘訣? 観客にはもちろん、アーティストにもおもてなししてきたからかな。村を知ってほしいし、村に来ることを楽しんでほしいから。だからアーティストにもそばを食べてもらってさ。

  

高校のとき、1年間だけバス通学をしていて。八戸市内から帰りのバスに乗るとき、行き先に「軽米」や「市野沢」と書いてあるのを見られたくなかった、恥ずかしくって。それが今は「ジャズやっているところですね」って。「八戸ですね」と言われるのも慣れた。 

 

10年くらい前から八戸市内の小・中学生がジャズフェスのオープニングを飾るようになってね。フェスがあるおかげでプロの演奏が聴ける、時には指導が受けられる。それで観客の前で演奏ができる。ジャズ文化は育ってる。あの子たちのためにやめるわけにはいかないし、俺が生きてるうちに地元からスターを出すのが夢なんだ。 

   

若い人たちに言うとするならさ。ジャズフェスは手段、地域の振興が目的。だからジャズに限らず、地域のためにできることがあったらなんでもやればいいよってこと。野外ロックフェスやるとかさ。ジャズより人が入るかもしれないよ(笑)。音響装置を残しておいて、1日目はジャズ、2日目はロックなんていいかもしれない。若い人も、年いった人も、やればいいよ。  

 

書き手:ばばみほこ(ライター、ばばことば事務所)
青森県八戸市出身、在住。タウン情報誌編集を経て2007年、ブランドショップ販売員、環境教育講師などをしながら執筆活動開始。2011年、八戸ポータルミュージアム はっち開館企画「八戸レビュウ」参加をきっかけにフリーライターを名乗る。おもに青森県~岩手県北の人・企業・歴史を取材し各種媒体に執筆するほか、地域のアートプロジェクトに参加するなどフリーダムに活動中。三姉妹の末っ子にして三姉妹の母、重度のおばあちゃん子。

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