南郷アートプロジェクト2019|見つけに行こう、まだ知らない南郷を。

プロジェクト01
島守ダンス映画製作プロジェクト
prologue
プロローグ

バス停・巻ノ上

今回の映画の大部分のシーンは、昔の風習だったり、伝承だったり、お年寄りの昔話だったり、何かしらの「元ネタ」があるけれど、「バス停・巻ノ上」はこの場所で撮りたいという、場所に惹かれたシーンである。

巻ノ上のバス停は、島守盆地全体を見渡せる高台「鷹ノ巣展望台」から盆地へと下る途中にポツンとある。「巻」という地区の上のほうにあるから「巻ノ上」という名前なのだろう。

バス停だからもちろん道路沿いにあるのだが、周りには民家一つなく、前も後ろも林が広がっている。どんな人が使うのだろうかと、想像を巡らせる。荒谷は「キンコ」と呼ばれる白く美しい女の人の姿をした狐がいたというお話があって、キンコが使っていたら…なんて、そんな想像に引き寄せられたのか。ここに顔を白くしたおかしな学生(?)3人組が現れる。

3人組はバスをじっと待てないのか、お互いにちょっかいを出し合う。そんな3人の存在に全く気付かず、楽しそうにおしゃべりをしているお母さんたち。巻ノ上の次のバス停の「江花沢」の地区に住んでいるお母さんたちだ。いつもはいないおかしな3人組とお母さんたちに、通りがかる車も驚いたように速度をゆるめていく。

そして、最後に、見えない雨を見ながら、全員が傘を開く。「見えなくなったものの目」で見ると、もしかしたらこの雨も見えてくるかもしれない。


出演:田村一行・塩谷智司・小田直哉(大駱駝艦)、江花沢地区のお母さんたち
ロケ地:バス停「巻ノ上」